エド&リーのブログ

未亡人に憧れるゴーストライター。深海魚のような仲間を探しています。結論の出ない話多めです。

自分の書いた記事がヤフコメで炎上した時の話【後編】

f:id:edoandlee:20211206235746j:plain正直なところ10日締切の記事が2本あるのだが、全くと言っていいほど捗っていない。

理由は子どものなんやかんやのせいでそもそもの時間がないことと、気持ちが乗らないという問題と眠気だ。実は昨日も仕事をせずに日中寝てしまっていた。

それなのにブログは書いているという矛盾…。取引先の方に見られたらブン殴られそうだが、なんとか間に合わせる予定ではいるのでギリギリまで待っていただきたい。

ということで、昨日の話の続きを書きたいと思います。

edoandlee.com

ア~チ~チ~ア~チ~!燃えてるんだヤフコメ

たしかYahoo!に記事がアップされたのは夜の21時頃だったと記憶している。詳しい仕組みはよくわからないが、前もって「◯月◯日の◯時にアップする」という投稿の設定がYahoo!側にあるらしく、例の女性編集者からアップ時間を前もって聞いていた私は、子どもと一緒に寝るついでに例の地雷タイトル記事がアップされているかをベッドの中からスマホで確認した。

すると、いつもであれば丸一日経って数十件のコメントついてれば上出来、コメント数10桁台なんてことも珍しくないはずの記事に、すでに数十件ほどのコメントがついているではないか…!

そして、そのコメントを見ている間にもどんどんコメント数が増え続ける。

もちろん99%くらいは案の定批判的なコメントであり、

  • どうしてこんな記事を今アップするんだ?何を考えているんだ?
  • △△△(このメディアの名前)は一体どういうつもりなんだ?
  • Yahoo!は即刻この記事を削除すべき!
  • デマ拡散の記事なので通報しました。
  • ◯◯◯◯(私のこのメディアでのペンネーム)を逮捕しろ!
  • ◯◯◯◯(私のペンネーム)の住所を開示しろ!こいつは犯罪者だ!

的な内容がほとんどだった。

このメディアの記事では記事の最後にペンネームを表示させないといけないのだが、記事の内容の批判よりも、私(のペンネーム)への個人攻撃的な内容が後半になるほどどんどん増えてきて、私は布団の中でスマホを見ながら今までに味わったことのない恐怖を覚えた。それはまるで日本中の人から石を投げられているような、そんな感覚だった。

「え?私デマ拡散した的な感じで逮捕されんの…?」そんな不安さえよぎった。

女性編集者との深夜のやりとり

ということで、あまりの恐怖に私は深夜にも関わらず女性編集者にメールを送った。

「いまYahoo!にアップされている記事の件なのですが、めちゃくちゃ批判コメントついてますけど、これマズくないですか?一旦取り消したりできないんですか?」

女性編集者は普段から遅くにメールを送ってくる人だったので、結構すぐに返信がきた。その内容は、次のようなものだった。

「批判的なコメントがつくのはよくあることなので気にしなくていいですよ。うちの記事に粘着しているようなアンチもいますし。読まれる記事ほど批判的なコメントもつくものですよ」

いや、これは違う。これは明らかに「炎上」ってやつだ。

そう思った私はすぐさま返信をした。

「いや、私個人の情報開示しろとか、逮捕しろとかいう脅迫めいたコメントまでついていてめちゃくちゃ怖いんですけど。これって御社的にもマズイと思うんですけど、どうにかしてもらえませんか?」

すると女性編集者はそこでようやく記事を確認したのか、急に焦った様子で返信をしてきた。

「ヤフーにアップされている記事の方はこちらでは今触れられないんです。とりあえず△△(自社メディアの名前)の方だけでも削除できないか明日朝イチで担当者に連絡とってみます」

いや、お前の方でどうにかできる権限ないんかーい!それやのにこれまでそんなに偉そうにしてたんかーい!

私はそう思いながら、もうこれ以上批判コメントを見続けているとメンタルが崩壊しそうだったので、とりあえずどんどん増えていくコメントを確認するのをやめ、なんとか寝ることにした。当然ぐっすりなんて眠れやしなかった。

翌日の火消し対応

翌朝、見てはいけないと思いながらもコメント欄を見た私は、何百という件数に増えた批判コメントの塊に震え上がった。

多分1000件までは行っていなかったと思うが、確実に数百件あったのは覚えている。ヤフコメで数百件なんてたいしたことないと言えばたいしたことないのだが、とはいえトップニュースのトピックスでもないただの下の方の記事に数百もコメントが付くっていうのは結構なことである。しかもそのほとんどが批判コメント。

朝、娘を幼稚園のバス停まで送りに行き、その時に他のお母さんたちにも会うわけだが、私はもう「この人たちもひょっとして批判コメント書いてるんじゃ…」くらいの感覚だった。自分の知らない日本中のあらゆる人たちが私のことを批判している…そんなレベルで周りの景色が見えた。

そして明らかに始業前と思われる時間に、女性編集者からメールが来た。

「あれから会社にも削除依頼のメールが何件か来ていたようでしたので、△△△(自社メディア)の方の記事は先ほど削除対応させていただきました。ただYahoo!の方はまだ削除できないので今問い合せ中です」

ヤフコメで炎上してるんだから自社メディアの方を消してもほとんど意味はないのだが、女性編集者も前日の当初の反応とは180度態度を変え、かなり焦った様子だった。

そして夕方頃だったかに、女性編集者からYahoo!の記事も削除してもらったという連絡が来て、私はひとまず安堵した。ちなみに、営業開始とともに編集部にも数件批判の電話があったらしい。怖い…ていうかそこまでする暇人もいるんだなという驚きもあった。

しかし女性編集者は謝罪の言葉を述べるわけでもなく「ちょっとこの時期にあの記事は良くなかったですかね(テヘ)!」みたいなメールを送ってきた。そして私は渾身のイヤミというか、もうほぼ直球だが「あのタイトル見ただけだと炎上しますよね~アハハ~」的な返信をしたのだった。

炎上でわかったことと、ライターの皆さまに伝えたいこと

ひとまず批判コメントもろとも削除されたのでそこで一件落着はしたのだが、あの炎上でわかったことがあるので以下に記しておく。

もしこの記事を見ている人で、Yahoo!にアップされる&コメント付けられるタイプの記事を書いているライターさんがいたら次のことを覚えておいて欲しい。

  • ヤフコメはタイトルだけ見て批判してくる人がかなりの割合でいる
  • 数ページにわたる記事の場合、最後まで読んでいる人はほとんどいない
  • 炎上必至の記事でも批判コメントをしない人もわずかながらいる
  • 最初にコメントした人が批判するとコメント全体が批判する方向に流れやすい
  • 批判してる人たちのほとんどはライターのバックに記事を操っている編集者などがいることなんて微塵も想像してない
  • 記事の内容とか関係なくメディア自体に恨みを持っている粘着アンチが存在する

つまり、仮に自分の書いた記事がヤフコメで炎上したとしても、私のように過剰に怯える必要はないということだ。最悪責任はメディアの方に行くので大丈夫だ。しかもYahoo!に言えば予定より早く記事も削除されるみたいだ。

色々と賛否両論…というか、最近わりと問題視されているヤフコメだが、今後どうなるのかは興味があるし、あの雪だるま式に炎上していく感じは、本当に現代のネット社会における象徴的な現象だなと思う。

で、その後…

炎上事件があり、もうヤフコメがついてくるあのメディアの記事は書きたくないと私は思っていたが、性懲りもなく記事の作成依頼は継続され、ペンネームを変えさせてくれという約束で私はしばらくそこの記事を書いていた。

当初使っていたペンネームは一生使っていこうと思っていたくらい気に入っていたペンネームだったので、今でもそのことに関してはかなり根に持っている。

江戸リイ名義でこれまで仕事で記事を書いたこともあるが、この名前は私の個人事務所?の屋号から取ってるだけなので実はそこまで思い入れのある名前ではないのだ。もちろん本名は全く別である。

ただ、やはり例の女性編集者の態度は相変わらず鼻につき、私が書いた記事の数字が良くても、ただ「あの記事結構数字良かったです」みたいなことしか伝えてこず、そこに感謝や誉め言葉のひとつ添えられることもなかったため、私はレギュレーション(記事を書く上の決まり的なやつ)の改定のタイミングで、「もう書けないです」と言って辞退することを伝えた。

女性編集者にとって、というか編集者にとって大抵の場合はライターが減ることは痛手となるので、「一般的な常識のある編集者」であれば、通常そこで低姿勢な態度を少しは見せるものだ。しかし、その女性編集者においてはやはりそこでも低姿勢な態度はとらず、それどころか「なんで書けないんですか?」と食って掛かってきた。

もちろんそんな態度を取られたら余計に書く気になんてなれるはずもなく「いや、もう無理なんで。別にお宅以外にも仕事あるんで。請求書送っときますね」みたいなことを言ってその会社との取引は終わった。

最初から炎上狙いの場合以外、炎上なんてしない方がいいに決まっている。

そして、ライターにとって編集者との相性も非常に重要なものであり、ある意味そこの関係性次第で炎上を起こさないことだって可能だ。ていうか普通はそうだ。

私はおそらくこの先も編集者になることはないと思うが、Web記事の世界も書籍の世界も記事があってこそ、文章があってこそ、書く人があってこその商売である。

あの女性編集者にもいつかそのことがわかる日が来ればいいなと思う。

ま、もうどうでもいいけどね。