エド&リーのブログ

未亡人に憧れるゴーストライター。深海魚のような仲間を探しています。結論の出ない話多めです。

【絵本紹介】はぐれくん、おおきなマルにであう

はぐれくん、おおきなマルにであう

著:シェル・シルヴァスタイン

訳:村上春樹

出版社:あすなろ書房

私はもうかれこれ4~5年ほどほぼ毎日子どもたちが寝る前に絵本を読んでいる。ほとんどは近所の図書館で借りてくる絵本だ。

ここでは、私が日々読んでいる絵本の中でも特に印象に残った絵本を紹介する。

自分らしく生きることをを教えてくれるお話

この絵本の作者は、「おおきな木」で知られるシェル・シルヴァスタインさんで、この絵本は「おおきな木」と同様に村上春樹さんが翻訳をしている。「おおきな木」は有名な本なので表紙だけでも見たことがある方は多いのではないだろうか。

www.ehonnavi.net

そして、この「はぐれくん、おおきなマルにであう」には、「ぼくを探しに」という絵本の続編である。

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なお、「ぼくを探しに」については、春休みに偶然息子が図書館で借りてきて、その本を返す時にこっちの本を見つけたのでまた借りてきた、というわけだ。

「ぼくを探しに」は、表紙に描いてある欠けた◯(マル)が、転がりながら足りない欠片を探しにいくというお話で、子どもたちはピンときていないかもしれないが、大人が読んでいると「生きがい」であったり「生涯のパートナー」であったり「自分自身」を探しているような、哲学っぽいお話だと感じる。

で、こっちの「はぐれくん、おおきなマルにであう」の方も同様に、至ってシンプルながらも生き方について書いてあるような、哲学っぽいお話である。お話は欠片の方の「はぐれくん」が自分にぴったりの何か(誰か)に出会おうとあれこれやってみるのだが、途中で「大きなマル」に出会い、「大きなマル」からある言葉をきいてそこから状況が変わっていくというストーリー。

「ぼくを探しに」も心にじんわりと残る話で良かったが、こちらの話は「こんな自分でもとにかくやってみよう」と思わせてくれるような、自己肯定感低めの私には小説を一冊読んだくらいの心に響くお話だった。とても良いお話だと思う。

村上春樹さんが翻訳をされているということで、単純に「村上春樹が翻訳をしている」という意識を持って読んだからそう思うのかもしれないが、なんだか村上春樹さんぽい感じが漂う絵本である(語彙力…)。

ページ数は絵本にしては多いものの、1ページずつの文字量は少なく、絵もとてもシンプルだが、パラパラ漫画のようにわかりやすいので小さなお子さんも飽きずに集中して読めそうな内容だ。

子どもに対して、なんとなく哲学っぽいというか、視野の広い物事の捉え方を持って欲しいなと思っている方や、何かの問題に直面している方、そしてハルキスト(…と言うのですよね?)の方にもおすすめの一冊である。