エド&リーのブログ

未亡人に憧れるゴーストライター。深海魚のような仲間を探しています。結論の出ない話多めです。

つまらない女

私は、3年ほど前からある女性のブログのようなものを読んでいる。

最初にその女性の存在を知ったのはInstagramにアップした今は亡きチバユウスケ氏の写ったCDのジャケット写真に対して「いいね」をくれたことがきっかけだったと思う。

その女性は毎日Instagramに写真とともにブログのようなものを書いてアップしており、一時期は読まないときもあったが、私はほぼ毎朝アップされるその女性のブログのようなものを読んでいる。

その女性は私より少し年上で、私が彼女を知った頃、彼女は結婚をしていた。私が彼女を知るよりもずっと前から彼女はそのブログのようなものを書いていたようで、私が彼女を知った時、彼女はすでに自叙伝のようなもを1冊出版していた。

彼女とInstagramでつながりを持ち始めた頃は、私は彼女に対して好感を持っていたと思う。なぜなら彼女のその自叙伝のようなものには、彼女の比較的壮絶といえる人生のストーリーが描かれていたからだ。

これは私に限ったことではないと思うが、自分の生い立ちに凸凹がある人にとっては、同様に生い立ちに凸凹がある人に共感しやすく、好感を持ちやすいだろう。私もまたそんな感じで、彼女に対して一種の親近感のようなものを持っていた。

彼女のブログのようなものを読み始めてからしばらくして、彼女は離婚をした。彼女には子どもがいなかったため、かなりあっさりと離婚をしていた印象がある。

その後彼女は埼玉のアパートに引越しし、アルバイトなどをしながら生活をしていた。

彼女は煙草も吸うし、お酒も飲む。そしてよく安い店で外食をしていた。

決して健康的な生活とは言えないが、毎日ブログのようなものは書き続けていた。

彼女は当時、野望を持っているようだった。それは新しい本を出版することだった。

そして彼女はよくわからない起業セミナー的なものの講師をやったりしながら生活を続けていた。私が思うに、彼女は何らかの精神疾患を患っているのではないかと思う。

彼女の野望は大きく、「絶対に売れる」と豪語して、その後新しい本を出版した。私は1冊目の本を読んで「たいしたことないな」と思っていたため、2冊目のその新しい本は買わなかった。1冊目の本もメルカリで売った。

彼女はその後も、「私の本は海外で売れるだろう」「私は海外に暮らした方がいいように思う」「私の本は(何らかの)賞を取るだろう」などと豪語し続けていた。

私はそんな彼女に対して、「精神疾患を持っていそうだな」という感情を持ちながら、そのブログを通して毎日のように彼女のことをチェックし続けていた。

結局彼女の海外進出の話はうやむやになり、今彼女は何をしているかというと、海産物を売るテレアポの仕事である。

過去に携帯ショップで働いたことのあった彼女にとって、そのような営業職は比較的性分に合っていたのだろう。私からすると明らかにブラックな会社のように見えるが、彼女はその仕事に精を出し、アルバイトから正社員になった。

そして彼女は今、同じ会社に勤めている元ホストの男性に恋をしている。肉体関係を持たないまま、いつかその彼と一緒に住むためにといって引越しもした。その彼が刺青を入れていることから話が発展し、刺青も入れた。そんなこともしながら、まだ彼女はその元ホストとやらと一緒に暮らせていない。

私から見ると、彼女の言うことはコロコロと変わるので信用できない。しかしながら彼女は自信に満ち溢れている。

もし彼女に子どもがいたら、彼女は今のような日々を送っていないだろう。

近い年の同じ女性であっても、子どもがいるかどうかでこんなに生き方が違うのかと思う。

こんなことを書いたら子どものいない人から総攻撃を受けそうだが、やはり子どもがいるといないとでは人生というか生活に対しての重みみたいなものが全然違うと思う。

一応言っておくが、子どもがいない人生がしょうもうない人生だと言っているわけではない。

ただ、子育てというのは修行のようなものであり、その修行のようなものをしている人かどうかの違いは確実にあるということだ。これは紛れもない事実だと思う。

結局何が言いたいかというと、彼女は自由だけどつまらない女だということだ。

つまらないかどうかは本人が決めることだが、私にとって彼女が毎日綴る文章は非常につまらない。非常に自由な生活を送っているが、つまらない。

それなのに私は毎日彼女のブログのようなものを読んでいる。

「また売上の話か」「また元ホストの話か」と思いながら斜め読みしている。

しかし、なぜ私はつまらないと思いながらそのブログのようなものを毎日読んでいるのだろう。

おそらく、心のどこかで彼女のことを見下しているのではないだろうか。

「バカな女」「口先だけの女」「子どもがいないと発言が軽いな」とか、そんな感じで見下しているのかもしれない。

そして、つまらない女のつまらないブログのようなものを毎朝読んでいる私は、もっとつまらない女なのかもしれない。

私はつまらない女にはなりたくはない。

だから今日、私はこのブログを書くことにした。

私にとって書くことは刀を振り回すことと同じようなものだ。

刀を振り回さなければただのつまらない女だ。

だから書くことにした。