エド&リーのブログ

未亡人に憧れるゴーストライター。深海魚のような仲間を探しています。結論の出ない話多めです。

自分の書いた記事がヤフコメで炎上した時の話【前編】

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「炎上」と聞くとこのジャケットを思い出す(※記事の内容とは無関係です)

先日、息子がプレ幼稚園に行っていた頃からの付き合いがある友人2人と久しぶりに会ってきた。

私を含め3人ともに上の子が同級生のため、「小学生あるある」的な話を中心にしていたのだが、その中の一人の友人が興味深い話をしてくれた。

自分の子どもが公園で遊んでいるのを見に行った時に、AくんとBくんが喧嘩をしていたらしいのだが、途中から直接関係ない奴らまでよってたかってBくんのことを責めはじめたその光景が、完全に現在のネットで起こる「炎上」の状態そのものだったというのだ。

結局その友人が間に入り問題は解決したらしいのだが、私たちは「当事者同士で解決すれば済む話なのに、直接関係ない周りの奴らが煽り騒ぎ立てるという流れになるのは、やはり今のネット社会が影響をしいるのかねぇ…」などと語り合ったのだった。

ということで、今日は「炎上」絡みで、私が過去に仕事で書いた記事で炎上に巻き込まれたという話について書いてみようと思う。

嫌な予感漂う女性編集者との出会い

事の発端は昨年の年明け頃だった。

なんとなく新しい仕事でも入れてみようかと思っていた私は、以前からヤフーのトップの下の方とかに出てくるコラム記事(レ◯スク◯ブ的なやつ)を扱うメディアで、わりと好きなメディアがあったため、試しにそのメディアの運営会社に営業をかけてみたのだった。

たしか1記事目はテスト記事を書いたと思うが、意外とすんなり仕事が決まり、報酬も悪くはなかったため、私はその運営会社と取引をすることになった。

最初の手続き関係でお世話になった人は感じの良い人だったが、その後私の担当として紹介された女性編集者が問題だった。

もう最初のやり取りの段階から、なんとなく「この人はライターを見下しているな」というのがわかった。私がそれまでやりとりしてきたクライアントには、編集者さんでそういう人は誰一人としていなかったため、もう初っ端からの雑なメールの返し方とかでなんとなく「ちょっと苦手なタイプかも」というのはあった。

とはいえこちらも仕事をもらっている側なので、普通に仕事上必要なやりとりはしていた。がしかし、のちに最初に感じた違和感が間違っていなかったということを私は痛いほど思い知らされるのであった。

記事作成までの流れ

そのメディアのターゲットとする読者層は私くらいの中年女性が中心で、たしか「あまり向上心がないゴシップネタとか好きな人」みたいな感じだったと思う。要はキラキラしたのとか無理めの女性がワイドショーを見て「そうよね~」みたいに同意するような、そんな若干下世話な感じな記事が好まれるとのことだった。

私がそのメディアを知ったのは、もっと前向きな子育てに関する問題提起の記事がきっかけだったのだが、実際のところ数字が取れるのはそういう記事のようだった。

ということで、仕事の流れとしては、編集者が「こいういう感じのキーワードが最近読まれます」みたいなのを言ってきて、私はそのキーワードをもとに仮タイトルと構成案を複数考え、編集者に見せる。そして編集者からOKをもらったタイトルから好きなのを選んで記事に書く…というものだった。

別に取材をするわけでもなく、ほぼ自分の経験と架空の話で作り上げる記事なので、案自体は結構いくらでも出せた。

ただ、その女性編集者は結構ボツにしてくるので、私もちょっと対抗して案を出しまくり、その中からOKが出たやつをその時の気分で1週間に1記事くらいのペースで書いて出す…ということをしていた。タイトルはその女性編集者によって結構変えられていることはあったが、記事自体の修正はほとんどなく、やりとりは比較的スムーズだった。

「ありがとうございます」「申し訳ございません」が言えない女

ただ、その女性編集者とのやりとりの中で、私は一点だけめちゃくちゃ気になることがあった。それは、彼女がメール上であっても一切「褒める」「感謝をする」ということができない人であるということだった。

単純に私がクライアントに恵まれているだけかもしれないが、構成案を出した時や記事を納品した時の、もはや挨拶がわりともいえる「ありがとうございます」という言葉が一切ないのだ。また、彼女の返信が何日も遅れた場合などでも「申し訳ございません」という言葉が一切出てくることはなかった。

私は別にいちいち感謝して欲しいわけでも謝って欲しいわけでもなかった。しかし、普通にビジネス上のやりとりの中で頻繁に使われているそれらのワードが一切出てこないことに非常に違和感を感じていた。

「コロナ関係の記事は伸びるから」という指令

そんな違和感を感じつつ、毎週記事を納品し、2ヶ月ほど経った頃だろうか、その事件は起こった。ちょうど日本がコロナの感染拡大で大騒ぎになりはじめ、マスクが店頭から姿を消した頃だ。

それまでは多くても週1本の約束だったのに、その女性編集者は「今はコロナの記事が伸びるから、ネタがあるなら1週間に何本でもいいから書いて欲しい」と言ってきた。コロナネタ以外の案を出しても「今はこの話題は伸びないと思います」みたいに言われるので、私はない頭から絞り出してコロナネタをなるべく出すようにして、なるべく記事を書いていた。

そしてある時、その女編集者が私が出していたコロナネタ案に対して、次のような要求をしてきたのである。

「マスクや消毒以外にこんなものが売れてます!っていう記事、書けませんか?」

はっきり言って私は嫌だった。なぜなら、その1~2週間ほど前に「トイレットペーパーがなくなる」とかいう噂が広まり、トイレットペーパー買占め騒動が起こっていたからだ。そんな人々が混乱しまくっている状況の中で、このタイミングでそんな記事を今書くのはやばくないか?と単純に思ったのだ。

細心の注意を払いながら書いた記事

とはいえ、他に書くネタもなくなってきていたし、その女性編集者から半ば強制的に誘導されていたので、私は仕方なくそういった内容の記事を書いた。

ただ、内容としてはあくまでもテレビなどで「最近よく売れている」とされているもの、例えば子供が自宅にいるので自宅学習用のドリルが売れているらしいとか、色々なところで検温する機会が増えているので体温計が売れているらしい、みたいな感じの内容だ。

最終的には「買占めが起こっているわけではなく、今売れているのは実用的で実際に意味があって必要とされているものです」「買占めに走るようなことはしなくても大丈夫」「日頃から備えておきましょう」的なまとめ方で、タイトルも「買占めはダメ!でも不安な気持ちにどう向き合う?」みたいなタイトルにしていた。

そのため、最初の具体的な商品名を入れろというのは女性編集者からの指示だったので仕方なく書きはしたものの、記事全体を普通に読んでいれば特になんてことのない記事だった。ぶっちゃけ身も蓋もないような、ありふれたつまらない記事である。

がしかし、実際にアップされた記事、というかタイトルは、私がつけていたタイトルは全く別のタイトルだった。

もはや炎上の記憶が強烈すぎて細かいことは覚えてないし、その記事も速攻で削除され、私ももうそこの仕事はしていないので正式なタイトルを思い出すこともできないが、その女性編集者がアップした記事のタイトルは「次に品薄になるアイテムはこれだ!」みたいな、ド直球の完全な煽りタイトルだったのである。(つづく)

(女性編集者本人が見ていたらバレバレな内容ですが、完全に向こうに非があるのでどうでもいいです…)