エド&リーのブログ

未亡人に憧れるゴーストライター。深海魚のような仲間を探しています。結論の出ない話多めです。

自分だけの「楽しい」を失くしてしまっている人へ

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「これまで1年半以上、江戸さんとこうしてお話をしてきましたが、今日初めて江戸さんの口から、『楽しい』という言葉を聞いて、私は驚いています」――。

昨日、いつものカウンセリングで心理士さんから言われた言葉だ。

そう言われてみればそうかもしれない。私は何年もの間、心の底から「楽しい」と思える感覚を失くしていたのかもしれない。

自発的な「楽しい」を失っていた自分

ここのところ、仕事も後回しにするくらいの勢いで毎日このブログの更新に励んでいる。文字数でいうとだいたい3000~4000文字くらいだろう。

私がいつも仕事で書いている記事は、1記事だいたい少なくて2000文字くらい。多くて10000文字くらいだ。肌感覚として、ここ最近はSEOとの兼ね合いから1記事あたりの文字数が増えている傾向にあると思う。これは、人や書く内容にもよると思うが、ライターによっては基本的に辛いことだ。文字単価で書いている場合はその分報酬ももらえるが、書いても書いても一つの記事(仕事)が終わらないのだから。

でも、このブログを書いている間はそんなことは微塵も感じない。むしろ文字数が増え過ぎていることを気にして、適当なところで話を切り上げているくらいだ。

そりゃそうだ。だって書きたいことを書いているんだもの。

仕事で決められたことを書くことも、これまでやってきた他の仕事に比べれば十分に楽しいが、仕事で文章を書いていているのとはわけが違う。

結局のところ、私は「文章を書く」ということが好きなのだ。

以前にも少し書いたが、私は2ヶ月ほど前に、心理士さんに「ネットの記事とか見てると、素人でもインスタとかに面白い漫画とかをいっぱいアップしていて、すごいと思う。でもそんなのはもうたくさんの人がやっているし、私が今さらやったところで…という気持ちがある」といったことを話した。

その時に心理士さんから「私は江戸さんの記事を読んでみたいですよ。面白いと思います。書いて欲しいです」と言われたことがきっかけで、現在の毎日ブログを更新するという生活に至っている。

書くことは楽しい。夜中3時頃に寝ても7時には子どもに起こされるし、時間はもちろん気になるけど、書いている間は時間を忘れる。もちろん寝不足にもなる。それでも書きたいと思うことが次から次に出てくる。

そして、前回のカウンセリングから1ヶ月たった昨日、「この1ヶ月どうでしたか?」と聞かれて、私は今のこの状態を心理士さんに説明し、その中で出てきたのが「ブログ書いている時間が楽しいですね」「書くことで誰かの救いになれないかと思う」という言葉で、その言葉の反応として冒頭の心理士さんの言葉が返ってきたというわけである。

感情を取り戻した理由と、失った理由

心理士さんは「江戸さんは最初ご主人との関係に悩んでここにいらっしゃいましたが、離婚をすることを決めて、別居をすることにして、実際に行動に起こして、体力的にもきつい時期を乗り越えて、今はもうかなり落ち着いているように見えるし、以前と纏っている雰囲気も違うと感じています」と言った。

そして、続けて心理士さんは「でも江戸さんは、長生きなんてしたくない、いつ死んでもいいということをよく仰っていて、私はそのことが気になっていました。だから、今日は、本当は、これから江戸さんがどう生きようようとすれば日々楽しく幸せに過ごせるかを一緒に考えようと思っていました。でも、この1ヶ月の間で江戸さんは自分で答えを見つけてきてしまったようですね」みたいなことをほほ笑みながら言ってきた。

さらに心理士さんは少し興味深そうに「どうして自分から『楽しい』と思えるようなことができるようになった思いますか?」と尋ねてきた。

私は、「長年抑え続けていたラインを超えて、開放されたからだと思います」と答えた。夫(仮)と離婚・別居を決意するまでの私は、

  • 離婚したい気持ちはあるけど、シングルマザーなんて自分とは関係のない世界だ

  • 家を買ってしまっているのに、今さら家を手放すことなんてできない

  • 家族がバラバラになってしまうことはいけないことだ

  • 色々あっても乗り越えていくのが家族であり、自分もそうしなければならない

そんな考えにずっと縛られ続けたまま、「母として、妻としての自分」を保とうとしていた。結婚をして子供を産んでから、ずっと、ずっとだ。

そんな日々を繰り返しているうちに、私は自分の大切な感情を失ってしまっていた。怒ったり泣いたりする感情は常にあったのに「楽しい」という感情だけがどんどん失われていたのである。

きっとそれは「こうあるべき」という思い込みで作られたラインを守るためには、「楽しい」という感情は別になくてもやっていける感情だったからではないかと思う(ちょっと書いてること意味わかんないかもしれないです、ごめんなさい)。

思えば、結婚してから、私はどんどん自分の好きだったことに興味を失っていっていた。母親なんて特にそうなのかもしれないけど、音楽を毎日聴くこと、本を読むこと、一人で出かけること、ファッションを楽しむこと…あらゆることが後回しになっていた。

特に音楽を聴くことに関しては、あれだけ好きだったのに、こんなに聴かなくなるものかと自分でも信じられなほど聴かなくなっていた。子供の頃から自分を支え、自分を作ってきてくれていた音楽を、車に乗るときくらいしか聴かなくなってしまっていた。

夫(仮)がエンタメ関係の仕事をしているので、正直うちはCDもDVDも言ってみればタダで手に入る状況だったが、夫(仮)が私の好きなアーティストのCDやDVDを持って帰ってきてくれても、ずっと封が開かないままのCDやDVDが大量にあった。私は「こんなの持って帰ってきても、いつ聴けっていうの?」と若干ムカついてすらいた。

楽しいという感情がある喜び

昨日心理士さんに言われるまで特に気にしていなかったが、昨日心理士さんに私が自分から「楽しい」という言葉を口にしたことを言われて、改めて今その感情が本当に戻ってきたことを実感している。

正直、私は今少し泣きながらキーボードを叩いている。

純粋に楽しいと思えることが嬉しいのだ。

もちろんこれまでも、友達と会って話したり、子どもたちとの生活の中で「楽しい」と感じることはあったし、口にすることだってたくさんあった。

でも、今私が感じている「楽しい」はそれとはまた別の感情だ。今私が感じているのは、自分だけのために、自分が自分のためだけに起こす行動によって感じる「楽しい」という感情なのだ。

夜通し絵を描いていた学生の頃のように、次の日眠くなってもいいから「楽しい」と思えることを、自分から進んでするということ。聴きたい音楽を好きなだけ聴いて、色んな気持ちになったり、色んなイメージをしたり、いつもの景色がいつもとは違う景色に変わるような感覚。

あぁ、こういう感じ、あったなぁ…そう考えると涙が出てきてしまうのだ。

自分だけの「楽しい」を失くしてしまっている人へ

家のこと、子どものこと、仕事のことなど、日々の色々なことに追われて、自分だけの「楽しい」という時間、感情を失っている人は、きっと少なからず「自分のための時間を作りましょう」とか言われたって、全く心に響かないというか、時間的、金銭的、物理的などさまざまな理由から「そう言われてもね…」って感じだと思う。

多分、わかっててもできないのだ。

少なくとも私はそうだったし、正直、同じ歳の子どもがいる人で、そういう自分のための時間を持てている人に対して、「いいなぁ…」いう気持ちを持つ反面「お金に余裕があるんだろうな」とか「子どもに手がかからないんだろうな」とか「一人っ子だもんな」とか、めちゃくちゃひねくれた目で見ることもあった。

まぁ実際そのような理由から余裕がある人もいるとは思うが、今は、ほんの少しでいいから、無理してでも、他のことを犠牲にしてでも、勇気を振り絞って、最初は無理矢理でも、自分が楽しいと思えることのための時間を作ることが大切なのではないかと思う。

今となっては私が単純にひねくれていただけとも言えるが、綺麗ごとに聞こえていた「自分のための時間を作りましょう」とはそういうことだったのかもしれないと今さらながら思う。

ちなみに私は、昨日のカウンセリングの時間の最後に、心理士さんに「でも、ブログばっか書いてて仕事あと回しにしたりして、このままいくとヤバいですよね。そこのところうまいことバランスとらないと駄目ですよね…」と言った。

すると心理士さんは「江戸さんはそういうことで生活が破綻するタイプの人ではないので、大丈夫だと思いますよ」と笑顔できっぱりと返してくれた。その言葉はものすごく自信に満ちていて、力強いものだった。

そう、きっと自分だけの「楽しい」を失くしてしまっている人は、それだけ真面目な人だ。だから大丈夫だ。

私だって「こんな一日中キーボード打ちまくってる生活ヤバいだろ」ってまだ思っているところはあるが、今まで自分の「楽しい」を後回しにしてやってこれたくらいなんだから、きっとそのうちこの生活もうまくやってけるようになるのではないかと思っている。

毎回のように書いているが、自分の心に嘘をつくのはやめよう。

自分の心を殺してしまってはいけないのだ。

自殺は否定しない。

でも、死ねなくて生きているなら、自分の心も生かしてあげた方がいい。

あなたはあなたなのだから、あなたそのものじゃないといけない。

 

(これでギリ4000文字です。長い…)