エド&リーのブログ

未亡人に憧れるゴーストライター。深海魚のような仲間を探しています。結論の出ない話多めです。

ライターの仕事と私 ②雇われライター時代の話【前編】

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大学受験の小論文対策にめちゃくちゃ読んでた本
内容は完全に忘れたが私の文章のルーツはここにあるかもしれない

おかげさまで昨日11月29日に11月分の仕事は終わり、今日は5日ぶりに家の外に出て自転車で図書館に行ったりしていた。

あと、このブログのアイコンもそうだが、心機一転、インスタとか仕事用のチャットとかのアイコンを新しいのに変えた。もちろん自分が一番マシに映っている写真だ。

そして、昨日書き終えた記事の納品先の担当者である「ヒゲのKさん」も納品が終わって余裕ができたようで、今日は「アイコン変えましたね」とか「最近音楽何聴いてますか?」とか仕事と全然関係ないやりとりをしていた。

「ヒゲのKさん」は、私が雇われライターとして働いていた例の会社の人で、私がその会社を辞める少し前に入ってきた。

なお、前回の話から1ヶ月くらい間が空いてしまったので、前回の話はこちらに貼っておく。

edoandlee.com

「ヒゲのKさん」は私よりたしか少し年下だが、音楽に詳しく、愛妻家で、ヒゲ面(今はわかんないけど)の怪しげな見た目の割にとても心の優しい真面目な人なのだ。そして彼も過去にはやんちゃをしていて、酒におぼれた時期もあったらしく、その界隈では有名なアルコール依存症のヤバい人が行く病院に入院をすすめられるまで堕落したことがあるらしい。しかし彼はそこには入院せず、なんとか薬で乗り越えたらしく、私はその話を聞いてからなおさら彼のことを信頼している。

どこかの誰かに爪の垢を煎じて飲ませてやりたい気分である。

ということで、今日は私の担当者「ヒゲのK」さんが働いている会社であり、私が以前雇われライターとしてその会社で働いていた時の話を書こうと思う。

異様な空間

私がその会社に入社する頃には、面接で行ったヤバい事務所は移転をしており、事務所は「アパートの一室」から小さいながらもきちんとした「オフィスビルの一室」へと変わっていた。

ただ、室内にはパソコンがぎっしり並んでおり、どう考えても定員オーバーな狭さだった。私が入社した当時は多分10数人くらいしかいなかったと思うが、とりあえず部屋も狭いし、そこは「異様な空間」以外の何ものでもなかった。

たまに社長と仕事の話をしたり、電話がかかってきてそれに出る人がいるくらいで、あとは一応何かしらの音楽がかかっていた気がするが、誰も喋らない。ひたすら黙ってキーボードを打ち続けて一日が終わる…という感じだった。

そりゃあ記事を作成する会社なんだからひたすらキーボードを打ち続けていて当たり前なのだが、私からするとそこで働いている人たちのほとんどは皆見るからに社会生活不適合者みたいな感じで、「社会の吹き溜まり」というイメージを持たざるを得なかった。

何かの学校を中退した人とか、小学生の子どもがいるらしいのに「いやそれくらい喋れや!」みたいなことも喋らない(喋れない?)人とか、いい歳してギャンブル好きのフリーターとか、完全にメンタル病んでますよねみたいな人とか、とにかくいろんな人がいた。ただ、その中でも私と比較的歳が近くまともな先輩たちもいて、その人たちとは今でもたまに連絡を取ったりする仲ではある。

まぁとにかくそんなヤバい連中が一日中黙ってキーボードを叩いている空間なのであった。

何も教えてもらえない

そして入社日当日から私は早速記事を書かされるわけだが、社長も他の人も特に記事の書き方を教えてくれるわけではなく、教えてもらったことといえばPC(無駄にMac)の使い方くらいだった。

あとはA4用紙の半分くらいしか内容のない社長なりの記事の書き方のルールみたいなやつをもらったくらいだったと思う。

仕事の流れとしては、一応クライアントから指定されたり打診されたキーワードから仮のタイトルを考える人がいて、ライターに渡されるのはその仮のタイトルだけで、たった一行のタイトルから、指定の文字数が埋まるように、自分で勝手に構成を考えて、ネットで情報を調べて記事をまとめる。ただそれだけ。そして書き終わったらコピペしてないかを専用のソフトでチェックして、ちょっと手直しする編集担当や校正担当的な人がいて、その記事をサイトにアップする担当の人が記事をアップして納品完了、みたいな感じである。

私を含めたライター達は、それをそれぞれが1ヶ月に決められた本数、あるいは早く終わった人は他の人の記事を手伝ったりしてひたすら毎日書き続けるのであった。たしか会社自体は10時~18時が定時だったと思うが、私は子どものお迎えとかがあったので、9時に行って16時くらいにいつも上がっていた。

徐々に打ち解ける

社長はバンバン会社を大きくしたかったようで(実際仕事はたくさん入ってきていた)、毎週のように新しい人が入ってきたり、辞めて行ったりするような環境だった。

当然皆喋らないので、私が入社した当初は変なライバル意識みたいな雰囲気もあり、決して居心地の良い環境ではなかったのだが、ちょっと年上の先輩たちと少しずつ話すようになったり、なんかヒョウ柄の服にピタピタのパンツ履いてピアスじゃらじゃらつけててYeah!みたいな若い女の子とかが入って来るようになったりして、少しずつメンバーは打ち解けていった。特にライターに関しては会社の中でも人数が一番多く、納期に間に合わなさそうな時は他の人が代わりに書いたりとかがあったので、月日が経つごとに関わりも増えていき、いつしか数名のライターで昼ご飯を食べに行ったりするようになり、気付けば私もそのメンバーの中に入っていた。

仕事はまぁ言ってみれば毎日同じことの繰り返しではあるが、1記事書くごとに「終わった~」という達成感があったので、その達成感のおかげでやっていけていた。

リーダーに指名される

そんなこんなで半年も経たないくらいで、私はある日社長に呼ばれ、「ライターチームのリーダーになって欲しい」という打診を受けた。

本当は私より前から働いていて、書くのがめちゃくちゃ速いのに文章も上手いという、お人形さんのように可愛い20歳くらいの女の子がいて、その子に一度頼んだらしいのだが、その子もまた喋らない&人との関わりを極限までなくして働いていた子だったので、当然断られ、その次の候補者として私が浮かんだようだった。

その子自体はとてもいい子で、サシで話すと普通に話してくれるのだが、メチャクチャかわいいけどメンタルがやられているようで、皆のいる前では全然話さなかった。だから普通に考えてそんな子がリーダーなんてやるはずはなかったのだ。

そして、その次の候補として他の人より短時間勤務の私がなぜ選ばれたのかはわからないが、今になってめちゃくちゃ冷静に考えてみると、年齢層が真ん中くらいで、それなりに他の人たちとコミュニケーションがとれて、それなりの記事を書けていたからではないかと思う。

あと、社長的には私なら断らないと思っていたのだろう。そして私はたった100円時給が上がるという条件なだけなのに、リーダーを引き受けることにしてしまった。

リーダーのすることは、毎月どのライターどの記事を書いてもらうか割り振ること、ちゃんと書けているか進捗をチェックすること、間に合わなさそうな人がいたら他の書けそうなライターに頼んで代わりに書いてもらうこと、新しいライターが入ってきたらだいたいの書き方とかを教える、みたいな感じだった。

もちろんそれに加えて自分の書かなければいけない記事もあるのだが、そこはリーダーの仕事があるということでちょっと書く記事の量を減らせたりしていたのでまぁ良かった。

ただ、新しい人が入ってきてもそもそも私も書き方とかちゃんと教えてもらっていないので、「まぁ私もよくわかんないんだけどね」的な感じでやっていた。

(中編につづく)

 

(なんかあまり面白い話でもないのにもう3000文字になったので今日はこのへんでやめときます…)