エド&リーのブログ

未亡人に憧れるゴーストライター。深海魚のような仲間を探しています。結論の出ない話多めです。

ライターの仕事と私 ③雇われライター時代の話【中編】

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画像が小さくて申し訳ございません…

気づけば12月ですね。

ブログ開設から1年ほど放置し続け、今年の10月の前半から再開を始めたこのブログ。

自分的には楽しい反面忙しい日は更新がきつかったりもするのですが、11月は丸1ヶ月ほぼ休みなく更新ができました。

ずっとブログを続けていらっしゃる方からしたら多分鼻で笑われるレベルのアクセス数だとは思いますが、なんとなく更新を続けてると徐々にアクセス数が上がってきている気がします。

GoogleAnalyticsの方だともっと見られてる具合?は少ないと思うのですが、それでも更新を続けることで読んでくださっている方も少しずつ増えているのかなと、励みになっています。

ただ、はてなのトップにピックアップされる記事はだいたいド下手な4コマ漫画をアップした時なので複雑な思いもあります。

どういう基準で選ばれてるのかは知りませんが、普通の記事で毎日ピックアップされるようになりたいものです。

とはいえ、このブログは私の名刺代わりと、書きたいことを書くことによるストレス発散のために存在するので、ブログで稼ぐとかいう気持ちは全くありません。

そりゃあそれで何十万も稼げたらいいですけどね…。

ということで、どなたもあまり興味のない話かとは思いますが、(自分の回顧録的な感じで)今日も雇われライター時代の話の続きを書きたいと思います。

向きと不向きとテスト記事

ということで、なんやかんやあってライターチームのリーダーとして働いていた私だったが、リーダーの仕事はともかく、別に記事を書くこと自体は嫌いではなかった。

特に面白かったのは、テスト記事を頼まれた時だ。

テスト記事は、会社のホームページなどから新規のお客さんから問い合わせが入った時に、とりあえず1記事サンプル記事を書いて、それを読んでもらって今後の契約が決まる…というものだ。

もちろんテスト記事だけで終わるパターンもあるのだが、自分の記事で大口の契約が取れた時は「獲物ゲット!」的な満足感というか、勝ち取った優越感みたいなものがあった。それはフリーになった今でも同じかもしれない。

テスト記事は下手するとタダで何千文字も書かされることもあるが、やはり自分の実力で仕事を取れた時の「やってやったぜ」感は何ものにも代えがたいものがある。

話が逸れてしまった。当時のテスト記事の話に戻ろう。

ただ、テスト記事については、どの会社の記事を誰が担当するかは社長が決めるので、例えば建設業界の工事費などを算出する「積算」についての記事とかのテスト記事が来た時なんか

は、全く意味がわからないけどまるでわかったようなふりをして書かないといけないので大変だった。

そしてそういうちょっと小難しい系の記事を書かされる人というのはだいたい決まっていて、私を含めちょっと歳がいってたり、大学を出てたり、社会人経験の豊富な人がいつも選ばれていた。

言葉を選ばずに書かせてもらうと、地頭が良くなくて文章を書くのもそんなに上手くない人には絶対に回ってこない仕事なので、ある意味そういった記事が回ってくるのは名誉と言えば名誉ではあった。

ただ、若くて文章を書くのが上手い子とかは、そんなに調べなくてもよさそうな軽い感じの楽しそうな記事が回ってくるので、その辺は不公平というか、差別だよな…とちょっと思っていた。

まぁ向き不向きはあるし、私自身おっさんみたいな文章を書いている自覚はあるので仕方ないのだが…。

まぁそんなこともあり、記事を書く仕事自体は毎回書き上げるたびに達成感も得られるので楽しかった。そこは今でも変わらない。ある意味この達成感に中毒性があるので飽きることなくこの仕事を続けられているのではないかとすら思う。

とんでもない新人さんたち

一方、ライターチームのリーダーの仕事はどんどん鬱陶しくなっていった。

まず一つめは新人さんたちの教育だ。

私が入社して1年後くらいには従業員の人数も増え、事務所はもうパンク寸前で、結果的にワンフロアのうち3分の1くらいの面積だった事務所は、同じビル内のワンフロアを丸ごと借りるまでになった。

当然仕事も増えるのでライターも増えるわけだが、社長は依然として私を採用した時のように、よほどヤバい感じの人でなければとりあえず採用するスタイルをとっていたため、いざ働き始めて出来た記事を見せてもらうと、とんでもない人もたくさんいた。

また言葉を選ばずに書かせてもらうとすれば、

  • よくその歳になってまでこんな日本語の使い方で生きて来られましたね  
  • 絶対学生の頃国語の成績悪かったですよね
  • とりあえず小学校から出直してきて
  • なんでライターやろうと思った?
  • 失礼ですが外国の方ですか?

みたいな感じである。

たしか交通費が全額支給とかで、基本土日休みで、オフィスワークのわりに採用の敷居が低いので、そういう人がどうしても紛れ込んでしまうのだった。

最初の方はその記事をチェックするのも1人とか2人とかで済んでいたが、オフィスが大きくなったため次から次に新人さんが入ってきて、しかも下手なもんだから次第に私の記事を書く時間はなくなっていってしまった。

というか、私はそもそも誰かに何かを教えるのも苦手だったし、年下の若い子ならまだしも、確実に年上と思われるよく知らない人に教えるのもめちゃくちゃ気を遣うので嫌だった。

そもそも他人の文章を直すのが苦手

さらに、私はそれまでに一時的に編集の方の仕事に回されたことがあったのだが、そもそも私はこんな仕事をしておいて何なのだが、基本的に作家でもなんでもない他人の記事に興味がなく、他人の文章を直すというのがすごく苦手だった。厳密に言うと、どうせ直すなら全部書き直したいし、そうじゃなかったら「その人が良いって思って書いたんだからそれでよくね?」という考え方なので、部分的に直すとか、構成を変えるのとかもしんどかった。

その考え方は今でも変わっておらず、本来であればライターから編集の方の仕事に回ったりする人も多く、一応構図的にも編集の方が上みたいな認識が一般的(多分です。気力体力的にも書くのがきつくなってくる傾向があるように思います)なのだが、私は編集はやりたくないのでずっとライターの仕事を続けている。

そして、自分の手を離れた記事はどうなっても構わないと考えている。たとえ自分の書いた記事がその後こねくり回されても、「その人がそうしたかったんだったらそうすればいいんじゃないの?」という考えだ。

なので、自分の書いた記事を編集の人がチェックして、そのまま直してくれて「直しました」というスタイルなら良いのだが、明確な指示もなく「ここはもっとこういう感じで」的なことを言ってくる編集者が嫌いだ。ライターあるあるだと思うが「だったらお前が好きに直せや」と思ってしまうのだ(口が悪くてすみません)。

そんな考えなので、基本的に私が受けている仕事は一度納品すれば修正が来ないか、編集者さんの方で修正をして「チェックだけお願いします」というスタイルのものばかりだ。

たった100円のせいでどんどん溜まるストレス

文章は一日で上手になるものでもないと思うし、自分にそれがあるかは別として「文才」という言葉があるように、そもそもセンスも必要だと思う。

それなのにド下手な文章を見せられ、赤ペン先生をしなければいけないというのはかなりのストレスだったし、はっきり言って迷惑だった。私がスルーすると編集者に迷惑がかかるというプレッシャーもあった。

最後の方はもう「マジで無理」って感じになってきて、社長に相談をして「あの人は無理です」と訴えて契約の更新をせずにクビにしてもらった人とかもいた。

そして、自分の記事が書けない。実績が積めない。時給が100円高いとはいえ、何人もいるライターの進捗を管理しなくてはいけない。間に合わない人がいれば、他の人になぜか私が頭を下げて書いてもらえないかお願いをする。そうしてようやく自分の記事を書こうとするとまた「江戸さんすみません」と質問が入る。

「この構成どうしたらいいですか?」など…。

当然本人には気を遣って「これはこうだからこんな感じにしたらいいんじゃないですかね?」的な感じで表面上は教えはするものの、内心は「そんなの私だって教えてもらってねーし、自分で考えろや…」的な感じで(口が悪くて本当にすみません)、私もどんどん自分の性格がきつくなっていくのを感じた。

たった1時間100円のために…である。

「もうお願いだから記事を書かせてくれ。私に頼らないでくれ…」

そうして私の心は少しずつ独立へと傾くようになっていくのであった。(つづく)

(なんだかただの愚痴みたいになってきたので次回でこのシリーズは終わろうと思います…)